創世記から見る歴史について考察5

ファンダメンタリズム的に聖書を読む事については私は疑問視する。

創世記の初めの部分において、助け手としてアダムの肋骨からエバが作られた

という聖句はどのように考えても不可能である。アメーバやクラゲのように

細胞分裂して増殖する生物か、コモドドラゴンのように卵生の生物であるなら

単為生殖も可能だろう。

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アダムから誕生した時、エバは卵では無かった。また、人体はアメーバと違って、生殖細胞ではない体細胞が分裂して増殖し子孫を残さないようになっている。エバは出産の苦しみが大いに増すであろうと告げられているが、出産するようになるであろうとは告げられていない。つまり、初めから男女に身体は分けられて作られている。

これが何を意味するか。すなわち、男性には男性の生殖機能が、女性には女性の生殖機能が初めから備えられていて、男には出産機能はなく、また体細胞分裂で子孫を増やすようには初めから作られていない事を表している。

ではなぜこのような無理のある設定にしたのだろうか。

 

カナン地方にヤハウェ一神教が広まった時期は遺跡から発掘した物品を調査した

ところ、紀元前約1200年頃と推測されている。これはカナン地方が青銅器時代

から鉄器時代に変わる頃であり、この頃、それまでこの地方は多神教であり、中でも

アシェラという人気のある女神がいたが、ヤハウェ信仰は、アシェラから神格を奪い、これをヤハウェの属性の一つとして取り込み、この女神を単なる柱で作られた偶像とする事で、母神信仰廃絶とヤハウェ一神教への改宗を浸透させようとしたのではないかと言われている。

*「図説聖書考古学旧約篇 著者杉本智俊」はヤハウェ一神教の成立時期についてより解りやすく解説している。

 

人は神の像に作られ、女は独立した存在ではなく男の肋骨から作られたと、女は男に属するものである事を強調する聖句から、ヤハウェ神崇拝において、ヤハウェがアシェラという女神を吸収し、属性を奪い、女神の痕跡を消し去ろうとした思想背景を読み取る事も可能である。

 

本来、肋骨から女が採られたと訳されている聖句は、命ある母としての女性と訳されるべきだったという意見もある。

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意図的に誤訳したのであれば、家父長を権威付け、それを統括することによって

民族を管理する事を目的とした可能性もあるのではないだろうか。

 

でなければ、女は男の肋骨から作られたという、これほど強引で無理のある言葉を聖句とはしないだろう。